『増量』
それは筋肉を増やすためには避けられない試練なのである。

・増量ってとりあえず食べまくって筋トレすればいいの?
・増量を失敗する人がどんな人なのか知りたい
といったギモンを解決します。
この記事を読むと「正しい増量の方法」が分かり、今より‘‘格段に‘‘筋肉量を増やすことができます。
なぜなら、この正しい増量を実践することでガリガリのボクでも筋肉を+25キロつけることができたからです(下記写真 ボクのbefore & after)
この記事の前半では増量中の筋トレと食事について、後半ではQ&Aで悩みを解決していきます。
記事を読み終わったあなたは「正しい増量」ができるようになっているはずです。
筋肉をもりもりつけて、かっこいいカラダになりましょう!!
正しい増量とは
正しい増量とはズバリ、
「脂肪をできるだけ増やさず、筋肉を増やすこと」
です。
増量といっても‘‘ただ食べまくって筋トレすればいい‘‘ってものではありません。
たしかにそれだけでも体重を増やすことはできますが、なにも考えずに食べまくると‘‘脂肪だらけのカラダ‘‘になってしまいます。
そのため、この章で『目標体重・期間・体脂肪率』について知っておきましょう!
目標体重
増量を始めるにあたって、まず決めなければいけないのは『目標体重』です。

このようなギモンをもたれる方もいるかとは思いますが、筋肉量を正確に測れる機械がこの世にないですし、体重であればカンタンに測れるためここでは‘‘目標体重‘‘とします。
目標体重の決め方
今の体重+10%
たとえば、体重70kgの方であれば77kgをめざして増量します。
増量を始めるときには体重が目安になってくるので、かならず目標体重をきめるようにしましょう。

そこで、1ヵ月目にして「体重が1kgしか増えていない…」といった場合には食事を見なおす必要があります。
期間
増量をおこなう期間は2~3ヵ月です(長くて4カ月)。
もっというと、カラダを大きくしたいからといって『ずっと増量する』というのはダメです。
なぜなら以下のようなことが起こるからです。
①増量するにつれて体脂肪も増える(絶対に増えます)
②体脂肪率が増えすぎると、筋肉に栄養がいきにくくなる
③増量を続けるたびに体脂肪だけが増え続ける
体脂肪がつきすぎると筋肉に栄養がいきにくくなるのは『インシュリン感受性』が悪くなるからですね。
インシュリンというのは『血糖値を下げるホルモン』のことです。
インシュリンは血糖をエネルギーに変えて ①筋肉 ②肝臓 ③脂肪 に溜めるようにして下げます。
インシュリン感受性がふつうの状態であれば、①筋肉 → ②肝臓 → ③脂肪 という順番でエネルギーが送られるのですが、
インシュリン感受性が悪いと ③脂肪 に多くのエネルギーが送られるようになります(ようするに体脂肪になるということです)。
インシュリン感受性が悪くなる原因である『体脂肪のつきすぎ』をさけるために増量は期間は3~4カ月までにしましょう。
体脂肪率
増量をおこなう上で大切なのは『体脂肪率15%以下から始めること』です。
理由はさきほど書いた通り、体脂肪がカラダに多いと筋肉に栄養がいきにくくなるからです。

すでに筋トレされている方はまず体脂肪率15%以下にしてから増量を始めましょう。
増量期の筋トレ
正しい増量が分かったところで、『増量中の筋トレ』について解説していきます!
使用重量
増量中の筋トレで大切なのは『使用重量をどんどん伸ばすこと』です。
使用重量を増やす理由
- 使用重量は筋肉量に比例する
- 減量で筋肉を失いやすくなる
使用重量は筋肉量に比例する
たとえば、
- ベンチプレス100kg × 10できる人
- ベンチプレス50kg × 10できる人
では、前者のほうが筋肉量が多い可能性が高いです。
なぜなら、使用重量が筋肉量と比例しているからですね。
そのため、増量中の筋トレでは重量をどんどん伸ばしていくことを目標とします。
もちろん、ムリな重量ではなく”正しいフォームでできる重量”に設定します。
ムリなフォームで重量を伸ばした場合、筋肉量は比例しません(しかも、ムリなフォームでおこなっても頭打ちになる、けがのリスクもあります)。
減量で筋肉を失いやすくなる
増量がおわると、かならず減量期間を設けます(脂肪をおとすため)。
そして、減量中はエネルギーが少なくなるため、使用重量もすこし落ちます。
そのため、増量でしっかりと使用重量がのびていないと減量で使用重量が‘‘元どおり‘‘になってしまいます。
使用重量が元どおりになるということは、筋肉は増えていないということです。
減量で使用重量が元どおりにならないために、増量でしっかりと使用重量を伸ばしておきましょう!
回数
増量中の筋トレの回数は『8〜15回』をメインにおこないます。
回数は8〜15回をメインにおこなう理由
- 筋肉量UPにもっとも効果的な回数だから
- ボリュームを稼ぎやすいから
筋肉量UPにもっとも効果的な回数だから
じつは‘‘回数と筋トレ効果‘‘って関係性があるんですね。
その中でも中回数(8〜15回)というのは『筋肉量UP』に効果的といわれています。
増量では筋肉量を増やすことが目的なので、8〜15回をねらって筋トレすると効果的です。
ボリュームを稼ぎやすいから
ボリュームとは
『①使用重量 × ②セット数 × ③回数』のこと
ボリュームは筋肉量を増やすために大切なファクターです。
というのも、ボリュームと筋肉量にも関係性がありボリュームが増えるほど筋肉量も増えやすくなるからですね。
低回数(高重量)では1回の筋力発揮は大きいですがボリュームとしては小さくなります。
高回数(低重量)は1回あたりの重量が小さいため、ボリュームを増やしにくいです。
ボリュームをもっとも稼ぎやすい(増やしやすい)のは中重量です。
以下の例を見ていただければ、中重量がボリュームを稼ぎやすい理由がわかります。
【ボリュームの例】
低回数(高重量)
ベンチプレス100kg × 5回 × 3セット
=1500kg(ボリューム)
中回数(中重量)
ベンチプレス70kg × 10回 × 3セット
=2100kg(ボリューム)
高回数(低重量)
ベンチプレス30kg ×30回 × 3セット
=1700kg(ボリューム)
真ん中の‘‘中回数‘‘がボリュームがもっとも高くなっていますよね?
そのため、増量中の筋トレでは8〜15回をメインにメニューを組みます。

セット数
増量中の筋トレのセット数は『1種目あたり3〜4セット』でおこないます。
さきほど、ボリュームを増やすことが大切と書きました。
なので、セット数を増やせばボリュームも稼げます。
しかし、セット数が増える=筋トレの質が下がるということが起こります。
なぜかというと‘‘トレ時間が長引き、エネルギーが枯渇するから‘‘です。
筋トレの質が下がらないギリギリのセット数は3〜4セットなので、このセット数で行なう事をおすすめします。
1回あたりの種目数
増量中の1回あたりの種目数は『1部位あたり3~4種目』が効果的です。
たとえば同じ日に‘‘胸&背中‘‘の2部位をきたえる場合は
胸
- ダンベルベンチプレス
- インクラインダンベルフライ
- ディップス
背中
- ハーフデッドリフト
- 懸垂
- ワンハンドロー
といった感じで種目数を決めます。
なぜ1部位あたり3~4種目なのかというと
- 種目数が増えるにつれて筋トレ時間が長くなる(筋トレの質がおちる)
- 種目数が増えると1種目あたりの質がおちる
といったことが起こるからです。
最大の効果を出したいのであれば、1部位あたり3~4種目にしましょう。
頻度
増量中の筋トレの頻度は『1部位あたり週2回』が効果的です。
1部位あたり週2回のメリット
- 回復したタイミングで筋トレできる
回復したタイミングで筋トレできる
筋肉の回復期間は2〜4日と言われています。
そのため、回復したタイミングで筋トレしたほうが効果的です。
逆にいうと回復しきったところで、何もしないでいると元の筋力・筋肉量に戻ってしまいます。
なので、1部位あたり週に2回はおこないたいところです。
増量期の食事
増量になんといっても大切なのは食事です。
食事という”筋肉の材料”がなければ筋肉もつきようがないからですね。
さっそく増量期の食事をみていきましょう。
カロリー
増量期の食事で、もっとも大切なことは
『オーバーカロリーにすること』
です。
たとえばあなたの1日の消費カロリーが2500kcalだったとします。
増量期のそれを500〜1000kcalほど上回る食事をすることにより、筋肉がつきやすくなります。
自分の消費カロリーを知りたいかたはこちらのサイトが便利です。
食事回数
増量中の食事回数は『5〜7食』にします。

ふつうより多いですよね。
というのも、食事の回数を多くすることによって『カラダが常に栄養で満たされている状態』をつくれるからです。
逆に2〜3食では栄養で満たされていない時間ができてしまうので、増量には向いていません。
食事の回数を5〜6食にし、3〜4時間ごとに食べるようにしましょう。
タンパク質
増量中の食事ではタンパク質を最低でも『体重×2g以上』食べなければいけません。
なぜならタンパク質は‘‘筋肉の材料‘‘でたくさんの量が必要だからです。
たとえば体重70kgの人であれば140g以上のタンパク質を食べる必要があります。
なお、140gのタンパク質というと
- 卵4つ
- 鶏胸肉300g
- プロテイン2杯
- その他の食事に含まれるタンパク質
で必要量とることができます。
タンパク質は筋肉の材料なので、最低でも『体重×2g以上』は摂りましょう。
炭水化物
増量中の炭水化物は『目標カロリーの60%』を目標にとります。
というのも炭水化物はエネルギー源となるからです。
もしカラダに炭水化物が少ないと、筋肉を分解して(筋肉を失って)エネルギーに変えてしまうということが起こっていしまいます。
なので、炭水化物はおおくとる必要があるのですが、
たとえば、目標カロリーが3000kcalだとするならば、その60%の1800kcalは炭水化物からとります。
1800kcalをgに直すと、450g(1800÷4kcal)です。
ちなみに炭水化物450gは
『ごはん4合弱』
でとれます。

増量中の食事では、パワーを出すため・筋肉を失わないためにカロリーの60%を炭水化物からとりましょう!
脂質
脂質に関してはむずかしいところですが、
『良質な脂質(アボガド、魚など)をとる』
ことを意識しましょう。
なぜこんなに曖昧なことを書くのかというと、脂質は意識しなくてもとれてしまうからです。
たとえば、タンパク質をとろうと思ってハンバーグやからあげを食べるとします。
そこにはタンパク質だけでなく、大量の脂質がついてきます。
もちろん脂質も増量には欠かせないのですが、脂質のとりすぎは体脂肪を増やすことにつながるため注意が必要です。
一方で、良質な脂質(アボカド・魚など)は脂肪になりくく、インシュリン感受性を高めてくれるというメリットもあるので、積極的にとりたいところです。
ムダな脂質(揚げ物、調理油)はできるだけ避けて、良質な脂質(アボカド・魚)をとることを意識しましょう。
増量に役立つサプリ
先ほど書いたとおり、増量では炭水化物やタンパク質を多くとらなければなりません。
ですが、食事だけに頼っていては消化が追いつかず胃もたれや下痢などを起こす人もいます。
そういったかたは今から紹介するサプリがかなり役立ちます。

プロテイン
プロテインは筋トレしている人には欠かせません。
なぜなら、タンパク質(筋肉の材料)でこれがないと筋肉がつかないからです。
タンパク質の多い食品といえば
- 肉
- 魚
などですが、食事だけでとろうとすると値段も高いですし、腹持ちもいいのでたくさんの量をとりにくいというデメリットもあります。
そのため、プロテインを活用してタンパク質を補うことがおすすめです。
おすすめのタンパク質はほんとうに筋トレ効果を高める「筋トレグッズ」にまとめておりますので、参考にして下さい。
ウエイトゲイナー
ウエイトゲイナーはかんたんに説明すると
『プロテイン+炭水化物』
です。
だいたい一杯で300kcal(炭水化物50g、タンパク質30g)ほど、とれるので少食の方や、時間のないかたはかなり重宝するサプリです。
ウエイトゲイナーのおすすめもほんとうに筋トレ効果を高める「筋トレグッズ」にまとめておりますので、参考にしてください。
マルチビタミン&ミネラル
ビタミン・ミネラルの役割
- カラダの調子を整える
- 免疫力を高める
- 栄養を吸収しやすくする
などです。
なので、筋トレしている人のみならず全ての人がとるべきなのですが、意外と意識してとっている人は少ないです。
なお、ビタミンが多く含まれていると思われがちな野菜は、実はビタミンが少なかったりするので必要量とるにはサプリが必須です。
また、高頻度の筋トレにより免疫力がさがり風邪などにかかりやすくなっているため、筋トレしている人はとるべきです。
効果・コスパの高いマルチビタミン&ミネラルはほんとうに筋トレ効果を高める「筋トレグッズ」を参考にしてください。
マルトデキストリン
マルトデキストリンは『糖質』です。
筋トレ中はエネルギー(糖質)をつかうため、筋トレ中にカラダから糖質がなくなってしまうと
- パワーダウン(筋トレの質が下がる)
- 筋肉を分解してエネルギーをつくる(筋肉を失う)
といったことが起こります。
マルトデキストリンは筋トレ中のドリンク混ぜてに飲むサプリで、だいたい50〜80gほど入れて飲むと、筋トレ中にエネルギーがなくならずに済みます。
筋肉を失いたくないかたはマルトデキストリンをおとりください。
値段も安いので、スポーツドリンクを買うよりもお得です。
EAA
EAAは『必須アミノ酸』です。
必須アミノ酸とは”カラダの中ではつくれないアミノ酸”のことで、筋肉の材料にもなります。
よく「筋肉をつけるためにはタンパク質!」と言われますが、タンパク質というのは消化されると最終的にアミノ酸になります。
そしてEAAもマルトデキストリンはと同様、筋トレ中のドリンクに入れて使います。
じつは筋肉というのは、筋トレおこなっている時から筋肉がつくられ始めているんですね。
なので、筋トレ中に筋肉の材料であるアミノ酸をとっておいたほうが、筋肉になりやすいんです。
ということで、筋トレ中にEAAをとることをおすすめします。
効果の高いEAAはほんとうに筋トレ効果を高める「筋トレグッズ」にまとめております。
参考にして下さい。
増量期の身体のケア
増量中は高重量をあつかったり、ボリュームを増やしたりするので、もちろんけがのリスクも高まります。
なので、日頃からしっかりカラダのケアをして回復力を高めておきましょう。
増量に関するQ&A
ここでは、ボクがパーソナルのクライアントさんからよく頂く”増量にかんするQ&A”を紹介していきます。
長期間(3ヶ月以上)増量すると、どんな事が起こりますか?
結論、脂肪だらけのカラダになります。増量というのは筋肉だけでなく必ず脂肪もつくのですが、期間がのびるほど脂肪の割合が多くなり、筋肉がつきにくくなります。
家で筋トレしているのですが、ジムに行かなくても増量は可能ですか?
可能です。ボクは筋トレ始めて1年半ほど家でトレーニングをしていましたが、ついた筋肉は10kg弱。家トレでも最低限の器具と工夫があれば十分に筋肉はつきます。
増量期と減量期のトレーニングの違いはありますか?
基本的にありませんが、減量期は増量期にのばした使用重量をなるべく落とさないようにして筋トレします。そこで重量を落としてしまっては筋肉も落ちてしまいます。
ガリガリでも増量すればマッチョになれますか?
なれます。ボクは『少食・筋トレ嫌い・飽き性・ガリガリ』から筋トレをスタートしましたが、継続することによって+25kgの筋肉をつけることができました。
増量を失敗するのはこんな人
カロリーを無視している
自分の消費カロリー+500〜1000kcalが増量食の目安ですが、これを無視している人はかならず失敗します。
というのも、カロリーを無視して+2000〜3000kcalもとっているとカラダは大きくなりますが、脂肪もたくさんつきます。
そして、脂肪がたくさんつくと筋肉がつきにくくなる(先述)ので、停滞し”ただのデブ”になってしまいます。
そのため、失敗したくないのであればカロリーをしっかり意識した食事にしましょう。
有酸素運動をしすぎる
増量中に有酸素運動をするメリットはありません。
なぜなら有酸素運動には
- 過剰におこなうと筋肉を落としやすくなる
- 消費カロリーが生まれ、オーバーカロリーの食事にするのが難しくなる
といったデメリットがあるからです。
失敗したくないかたは有酸素運動をやめましょう。
筋トレのメモを取っていない
増量中は使用重量・ボリュームを増やすことが大切です。
なので、メモを取っていないと「前回どの重さでどのくらいやったかな?」と分からなくなってしまい、テキトーに筋トレすることになります。
そのため、筋トレメモを取りましょう。
そんなに複雑なものではなくて、かまいません。
- トレーニング名
- 使用重量
- セット数
- 回数
などをカンタンにメモしていればOKです。
↓ボクの筋トレメモ(参考までに)
筋トレメモの例
ガリガリが増量を成功させるには?
「ガリガリなのですがマッチョになれるのかな…」
と不安になられているかたは、下記の記事ですべて解決できます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
おわり
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